家を建てるときやリフォームなどで床材の中で一番人気の「フローリング」。
正しい掃除の仕方やケア方法については、よくわからないという人が多いかもしれません。
「毎日掃除機をかけているだけ…」なんてことはありませんか?
一見綺麗に見えても、長年暮らしていると意外と汚れが溜まっていたりします。
この記事では、基本的なフローリングの掃除方法と綺麗に保つためのケア方法を紹介します。
目次
まずは知っておきたい!フローリングの種類
フローリングの掃除方法を紹介する前に、知っておきたいのがフローリングの種類。
フローリングは大きく分けて2種類のタイプがあります。
あなたのお家のフローリングはどちらの種類かわかりますか?
リフォームで床材を選ぶという人にも参考になる内容が多いはずなので、フローリングの特徴を知って、長く綺麗に使う工夫をしましょう。
合板(複合)フローリング
まずは、一般的に使われている床材「合板(複合)フローリング」です。
その名のとおり、複数の合板を接着剤で張り合わせた基材の表面に、天然木の薄板を張りつけたフローリングのことです。
天然木は様々な種類が使用されますが、ブナやナラ、サクラ、カバなどが使われることが多いのが特徴。
中には天然木の薄板の代わりに、木目や柄を印刷した樹脂でできた「化粧シート(化粧材)」を使用することもあります。
「合板(複合)フローリング」のメリットは、
- 傷や汚れに強いこと
- 膨張・伸縮が少ないこと
- 温度・湿度の変化に強いこと
などが挙げられます。
床暖房に使えるものやキッチンなどの水回りで使用できるものなど、バリエーション豊富!
また、このあとご紹介する「無垢フローリング」より安価なのも嬉しいポイントです。
デメリットを挙げるとすれば、多少踏み心地が硬いことくらいでしょうか。
「合板(複合)フローリング」は色合いや木目の濃さなどの種類が多いので、部屋の雰囲気にぴったり合うものが見つかりやすいです。
無垢(単層)フローリング
「無垢(単層)フローリング」は、他の木材が一切混ざっていない、100%天然木を使用したフローリングのこと。
代表的な素材として、パイン材やスギ、ヒノキ、オーク、ウォルナットなどが挙げられます。
「無垢(単層)フローリング」は、木目の表情が豊かで、柔らかい肌触りを感じることができます。
色合いやツヤ感など、経年変化を楽しめるのも、天然木を使用している「無垢(単層)フローリング」ならではの魅力!
調湿機能を持っているため、夏場も快適に過ごすことができるのも嬉しいですね。
そのぶん購入価格は「合板(複合)フローリング」よりも高価。
汚れや傷が付きやすく、一度付いた汚れが落ちにくいのが難点。また、水にも弱いので注意が必要です。
割れやねじれ、反りが起こりやすいという特徴があるので、床暖房で使用したい場合には種類など選ぶ際に注意が必要です。
木の温かみを感じられるのが大きなメリットなので、定期的なメンテナンスを徹底して、その風合いを存分に楽しみましょう。
フローリング掃除の手順を4つのステップで解説
フローリングの種類と特徴を紹介したところで、次は具体的な掃除方法をご紹介します。
本来であれば日々こまめに掃除することが大切なのですが、仕事・育児・家事など忙しい人は、掃除の質を保つのが難しいかもしれません。
ここから先は、日々の掃除や大掃除などのイベント時、どんな状況でも応用できる掃除テクニックを4つのステップで紹介します。
ステップ1:フローリングワイパーをかける
ステップ1は掃除機をかけるのではなく、フローリングワイパーをかけます。
いきなり掃除機をかけてしまうと、床に蓄積したホコリが舞い上がってしまいます。
赤ちゃんやペットがいるお家は特に注意しましょう。
まずはフローリングワイパーなどのドライシート使用して大きなホコリや髪の毛などを取ることからスタートです。
ステップ2:掃除機をかける
ステップ2でようやく掃除機です。
ステップ1で集めた大きなホコリや髪の毛を吸い取っていきましょう。
そのあとは、フローリング全体に掃除機をかけていきます。
そのときに、先が細くなっている掃除機のヘッドを使用して、溝などのホコリも重点的に吸い取っていきましょう。
ステップ3:雑巾などで水拭き
ステップ3は雑巾による水拭きを行います。
雑巾がない家庭も多いかもしれませんが、新しく購入する必要はありません。
古くなったタオルや着なくなった洋服などを切れば、雑巾代わりになります。
雑巾を濡らして早速水拭きを開始したいところですが、大切なポイントが2つ!
雑巾は必ずしっかり絞ってください。そして、強くこすりすぎないよう、優しく拭いていきましょう。
拭いた場所を踏まないように、奥の端から手前に拭いていくと良いでしょう。
ここで1つ注意したいのは、無垢フローリングの場合。
水拭きをしてはいけないわけではありませんが、水分が多く残っていると割れや反りが出たりする恐れがあります。しっかり絞って水分を抜いてから拭きましょう。
ステップ4:乾拭きで仕上げる
最後のステップ4は、乾拭きです。
水拭きで終わらず、乾拭きまで行うことでより綺麗に仕上げることができます。
フローリング全面を水拭きした後に乾拭きするのもいいですが、よりおすすめなのが、水拭き用雑巾と乾拭き用雑巾をそれぞれ片手に持って、水拭きと乾拭きを交互に進める方法。
水拭きしたフローリングを踏むことが少なくなるので、掃除がよりスムーズに進みます。ぜひ試してみてください。
フローリングを綺麗に保つ掃除グッズと注意点
ご紹介した4つのステップで毎日掃除をしていれば、あまり汚れは溜まらないかもしれません。
しかし現実的には難しいでしょう。
また、毎日掃除機はかけていても、毎日生活しているとどうしても汚れがついてしまったり、傷がついてしまったりするもの。
ここからは、汚れが溜まってしまった場合の対処法と、綺麗に保つためのテクニック、便利な掃除グッズを紹介します。
黒ずみや簡単な汚れなら中性洗剤を使う
フローリングの黒ずみの原因は様々ですが、一番多いのは足裏などの皮脂によるもの。
この場合、食器用洗剤などの中性洗剤が有効です。
バケツ1杯のぬるま湯か水に、中性洗剤を数滴(小さじ1杯程度)入れて、雑巾を濡らして硬く絞ります。
乾拭き用の雑巾も用意し、濡らして絞った雑巾で拭いて、すぐ乾拭きします。
これを繰り返すと汚れが綺麗に落ちていきます。
しかし、長年の汚れが溜まっていたり、ワックスの劣化による黒ずみなどは綺麗にはならないこともあるので、その場合は専門業者に相談しましょう。
重曹・セスキ炭酸ソーダを使用するときは注意
同じく黒ずみやべたつき汚れに効果的なものとして、重曹・セスキ炭酸ソーダがあります。
赤ちゃんやペットがいるご家庭などでは特に、中性洗剤を使うのに抵抗があり、天然素材を選びたいという方も多いのではないでしょうか。
しかし、アルカリ性である重曹・セスキ炭酸ソーダを使うときには注意が必要です。
重曹を使用するときとセスキ炭酸ソーダを使用するときの流れを以下にまとめたので、参考にしてみてください。
- バケツに水1L入れて大さじ2杯程度の重曹を入れてかき混ぜ、重曹水を作る
- 重曹水に浸した雑巾をしっかり絞って拭く
- もう1枚別の雑巾を水に濡らしてしっかり絞り、重曹が残らないように水拭きする
- 乾いた雑巾で乾拭きをする
- 未使用のスプレーボトルに水500mLと小さじ1杯のセスキ炭酸ソーダを入れてかき混ぜ、セスキ炭酸ソーダスプレーを作る
- 水に浸してしっかり絞った雑巾にセスキ炭酸スプレーを吹きかけ、汚れを軽くこする
- もう1枚別の雑巾を水に濡らしてしっかり絞って、水拭きをする
- 乾いた雑巾で乾拭きをする
ここで気を付けたいのは、頑固な汚れだからといって強力なものや濃度が濃いものを使わないこと。フローリングが白くなってしまったり、傷んでしまったりするので注意しましょう。
さらに、セスキ炭酸ソーダは重曹よりも高いアルカリ性であるため、無垢フローリングの場合は使用しない方がいいでしょう。
ほかにも、樹脂ワックス以外のワックスでコーティングされている場合も、ワックスを溶かしてしまうことがあるので注意が必要です。
年に1度はフローリングのワックスを
フローリングの状態にもよりますが、半年か一年に一回程度ワックスを塗るとピカピカで綺麗なフローリングを保つことができます。
ワックスがけをするタイミングは、12月〜2月の寒い時期と6月〜9月の暑い時期を避けること。
寒いと乾燥に時間がかかってしまったり、暑いとすぐ乾いてムラになりやすかったりするので、春や秋にやるのがおすすめです。
そして、ワックスがけの前にご紹介したように綺麗に掃除することが重要です。
掃除をしたあとは、市販の「床クリーナーシート」や「ワックスシート」などを使って、丁寧に端から順番にワックスがけをしていきましょう。
10年以上フローリングを使用している場合は、一度プロにお任せするのもおすすめです。
毎日触れるフローリングは掃除とケアで綺麗に保とう
フローリング材の特徴や魅力、正しい掃除の仕方、ケア方法を紹介しました。
「フローリングは傷がつきやすくてメンテナンスが大変!」というイメージの人がいるかもしれませんが、ちょっとした掃除のコツと定期的なメンテナンスで、状態の良さを保つことができます。
赤ちゃんがいるご家庭なども、ピカピカのフローリングを保つことで、安心して遊ぶことができますね。
ご紹介した掃除のコツをぜひ日々のお掃除に取り入れてみてください。