「ヘリンボーン」という言葉は、ファッションからインテリアまで幅広く使われています。
しかし具体的に、どんな模様なのか説明できる人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、知っているようで知らないヘリンボーンの模様の特徴や、インテリアとして取り入れたい「ヘリンボーン床」について解説します。
目次
ニシンの骨という意味をもつヘリンボーン
模様の1種であるヘリンボーンは、魚を開いたときの骨に似ていることから「ニシンの骨」という意味をもちます。
日本語では「杉綾(すぎあや)」や「矢筈柄(やはずがら)」と呼ばれることもあります。
模様の軸となるV字型や長方形を、縦と横に連続して組み合わせているのが特徴です。
ヘリンボーンは服の生地の織り方や、編み方に使われる場合もあります。
ヘリンボーンをインテリアに取り入れるなら床がおすすめ
ヘリンボーンの模様をインテリアに取り入れるなら、床がおすすめです。
ヘリンボーン床はフローリングの張り方のひとつで、短くカットした床材をV字型になるように組み合わせます。
長方形の床材を使ったフローリングよりも、存在感があるのが魅力です。
またデザインの自由度が高いのも嬉しいポイント。
1ピースずつ分かれているので、木目や樹種の組み合わせによって、さまざまな模様が楽しめます。
ヘリンボーン床を家具とコーディネートすれば、インテリアを格上げできます。
通常の床と一味違った、おしゃれな雰囲気を演出したい人に最適です。
ヘリンボーン床の張り方は2種類ある
ヘリンボーン床には「ヘリンボーン張り」と「フレンチヘリンボーン張り」の2種類があります。
この章では、それぞれの張り方の特徴を解説します。
1:ヘリンボーン張り
「ヘリンボーン張り」では角が90度にカットされた長方形の床材を使います。
V字型になるよう合わせた2枚の板が、直角になっているのが大きな特徴です。
さりげなく個性を演出しながらも、整った印象に仕上がります。
2:フレンチヘリンボーン張り
よりシャープな雰囲気にしたい場合には「フレンチヘリンボーン張り」が最適です。
ヘリンボーン張りとの違いは、床材同士が接する部分を45度にカットしているところです。
基本的な張り方はヘリンボーン張りと変わりませんが、張り合わせた部分に一直線のラインができるため、ヘリンボーン張りに比べるとモダンな印象です。
ヘリンボーン床の素材の種類
ヘリンボーン床には、いろいろな素材があります。
種類によって特徴が異なるため、見た目の好みや使用感、予算に合わせて選びましょう。
集成材|木材をリーズナブルに導入可能
「集成材」は複数の木片を組み合わせたものです。
無垢材に比べると美しさは劣りますが、お手入れしやすいのが大きなメリット。
表面に張ってあるシートによって、変形やひび割れを起こしにくいのが使いやすいポイントです。
比較的安価なので、気軽に木材を取り入れたい人に向いています。
無垢材|天然木ならではの温もりが魅力
天然木ならではの質感が自慢の「無垢材」。
肌に触れたときの感触が良いので、フローリングにぴったりの素材です。
ただし、きれいな状態を保つためにはお手入れが欠かせません。
また価格帯も高めなので、手軽に取り入れたい人には、集成材やプラスチックタイルをおすすめします。
プラスチックタイル|薄くて軽いため取扱いが楽
「Pタイル」とも呼ばれる「プラスチックタイル」は、塩化ビニール樹脂を原料とし、薄くて軽いのが特徴です。
好みの形にカットできるので、手軽に扱えるのが魅力的。また価格帯も低めです。
水濡れや汚れ、傷に強いため、小さい子どもやペットがいる家庭に適しています。
プラスチックタイルの中には木材のように見える柄もありますが、本物の木と比較するとチープな印象は否めません。
クッションフロア|やわらかいので転んでも安心
ビニール素材のため、ほかの素材に比べてやわらかい「クッションフロア」。
万が一転倒しても、大怪我につながるリスクを減らせます。
歩き始めたばかりの子どもや、高齢者と暮らしている場合も安心な素材です。
ただし天然木と比べると、どうしても風合いが劣ります。
木材に似た柄のクッションフロアを選べば、本物の木を使ったときの雰囲気に近付けられるでしょう。
ヘリンボーン床で後悔しやすい3つのポイント
ヘリンボーン床を何となく導入してしまうと、思っていたイメージと違った仕上がりになる場合があります。
この章では、ヘリンボーン床で後悔しやすいポイント3つを解説します。
理想の仕上がりを実現させるために、チェックしてくださいね。
1:ヘリンボーン床によって部屋が狭く見えることがある
存在感のあるヘリンボーン。
魅力的なおしゃれな模様も、使い方によっては部屋が狭く見えてしまうことがあります。
特に限られたスペースにヘリンボーン床を導入すると、より窮屈な印象になるので注意が必要です。
色が薄く幅の細いヘリンボーンなら、空間に馴染みやすいので、柄による圧迫感を抑えられます。
2:通常のフローリングよりも費用と時間が掛かる
ヘリンボーン床に対応している施工業者は、一般的な床を扱う施工業者に比べて少ない傾向にあります。
ヘリンボーン張りとフレンチヘリンボーン張り、どちらも床材を1枚ずつ張っていくため、高い技術が必要なうえに手間と時間が掛かります。
それにより、工事費も一般的な床より高めです。
予算をオーバーしてしまった場合は、ヘリンボーン床の素材を見直すと良いでしょう。
3:床暖房との組み合わせに注意する
床材の下に床暖房を設置する場合は、注意が必要です。
一般的な床もヘリンボーン床も、フローリングと床暖房パネルに釘を打って固定します。
ただし、ヘリンボーン床は模様がギザギザしているため、釘を何本も打たなければなりません。
それによって床暖房パネルが傷付き、暖房が効きにくくなります。
無垢材のヘリンボーン床と床暖房の組み合わせは、相性がよくありません。
無垢材の性質上、床暖房の熱によって変形したり、反りや割れにつながる可能性があります。
そのためヘリンボーン床か床暖房、どちらか選ぶことをおすすめします。
どちらも譲れない場合は、床暖房に対応した素材を選ぶと、変形のリスクを抑えられるでしょう。
ヘリンボーン模様を床に取り入れて理想の空間を作ろう
この記事ではヘリンボーンの模様の特徴や、ヘリンボーン床の取り入れ方について解説しました。
模様自体に存在感があるので、部屋の個性をアピールできます。
また、素材のバリエーションが豊富で、家具に合わせやすいのも魅力です。
インテリアや家づくりにこだわりがある人は、ヘリンボーン床の導入を検討してみてください。
インテリアでは壁や床、テーブル、タイルなどに取り入れるのが一般的です。