「カトラリー」という言葉から、スプーンやフォークを連想する人が多いでしょう。
カトラリーについて、深く考えたことがない人も多いかもしれません。
カトラリーには古い歴史があり、たくさんの種類があることをご存知でしょうか。
この記事では、カトラリーについての基礎知識や、選び方・使い方などを詳しく解説します。
カトラリーのセットはお祝い事の贈り物にもピッタリ!ぜひこの記事をお役立てください。
目次
カトラリーとは?実は長い歴史がある
カトラリーとは、洋食を食べる食卓で使われるナイフやフォークなどの総称です。
カトラリーの材質は主に、銀・ステンレス・プラスチック・木製などがあります。
語源はフランス語の「coutellerie(刃物)」で、英語の「cutlery」も刃物の総称として使われています。
カラトリーの歴史
カトラリーの起源は古く、まずはスプーンが登場しました。
スプーンの原型は、エジプトや中国にある2000年以上前の遺跡で見つかっています。
中世ヨーロッパでは、手指を使って食事するのが一般的でした。
スプーンがヨーロッパ周辺で使われ始めたのは14〜15世紀頃で、貴族が使っていたものが庶民にも伝わりました。
ナイフは肉を切り分けるために12世紀頃から使われてきましたが、フォークとともに使われるようになったのは16〜17世紀頃です。
さらにナイフ・スプーン・フォークをセットで使うようになったのは19世紀頃。
その頃から庶民にも食事マナーが普及しました。
カラトリーと日本
日本のカトラリーの歴史はヨーロッパよりも古く、食事用のスプーンにあたる「さじ」は縄文時代の遺跡から見つかっています。
6〜7世紀頃の飛鳥時代に、中国から銀の「はし」と「さじ」を使う食事方法が伝わりました。
「さじ」を使用していたことは文献に記述があり、平安貴族は銀の「さじ」を使って食事していたようです。
しかし金属製で高価だったためか、その後「さじ」は茶道の道具などでしか使われなくなり、木製の「はし」のみ使われるようになりました。
そして19世紀後半、明治以降にヨーロッパから洋食器とともに「カトラリー」が輸入され、現代の食卓の風景が生まれたのです。
カトラリーをそろえる前に知っておきたい基礎知識
日常生活で使っているカトラリーと、レストランなどで使われているカトラリーには少し違いがあります。
まずはカトラリーの種類や基礎知識を解説します。
カトラリーの種類
フルコースに使われるカトラリーには、用途別に以下の種類に分かれています。
カトラリーの種類は、国や料理によっても多少異なります。
また、欧米で使われているサイズよりも日本やアジアで使われているものの方が、2cmほど小さいサイズが主流です。
カトラリーの基本セット
カトラリーの基本セットは以下の5本です。
贈り物として選ぶときは、基本セットで贈ると喜ばれるでしょう。
- テーブルナイフ(ディナーフォーク)
- テーブルスプーン(ディナースプーン)
- テーブルフォーク(ディナーフォーク)
- コーヒー・ティースプーン
- ケーキフォーク
ただし、日本の家庭で使いやすいのは、デザートスプーン・デザートフォーク・デザートナイフです。
サイズが小さくても、サラダやメインの肉料理などにも使えます。
さらにティースプーンとケーキフォークがあれば、日常生活では問題ないでしょう。
カトラリーの選び方はさまざま
カトラリーを購入するときは、どのような基準で選べばいいのでしょうか。
ここでは3つのポイントを紹介します。
素材で選ぶ
カトラリーで使われている素材は、主に以下の7種類です。
素材 | 特徴 |
---|---|
純銀 | 表面が美しく輝き、抗菌性に優れています。 サビやすく、こまめな手入れが必要です。 |
洋白銀器 (銀メッキ) | 中身は合金で銀メッキのコートが塗られています。 見た目は純銀と変わらず比較的安く手に入るため、多くの場所で使われています。 |
ステンレス | 最もポピュラーで、扱いやすい素材です。 サビに強く耐久性もあり、手頃な価格のものが多くあります。 |
木製 | 軽くて断熱性があり、口当たりがいいため、幼児にも使えます。 雑菌がつかないようコーティングされたものもあります。 |
シルバー | 純銀と同じ高級品で、主に贈答用に使われる素材。 欧米では「使うと幸せになれる」という言い伝えがあり、赤ちゃんに贈る習慣があります。 |
アルミ | かなり軽く、サビに強いのが特徴です。 衛生的で毒性がなく、においがつきづらいため、幼児にも使いやすい素材です。 |
ホーロー | 金属にガラス質の素材でコーティングしているため、光沢があり、口当たりにやわらかさがあります。 |
大きさで選ぶ
欧米で一般的なサイズは、20〜24cm程度。
日本人の手に合うのは少し小さめの、18〜22cm程度のサイズのものです。
口を開けた際のサイズや手の大きさによって、使いやすいサイズは異なります。
一般的に日本人は欧米人に比べて口が小さいため、デザートスプーン・デザートフォーク・デザートナイフがおすすめです。
口当たりで選ぶ
カトラリーは口に入れるもののため、硬さ・やわらかさだけでなく、金属独特な味に敏感な人もいるでしょう。
木製やホーロータイプのものは口当たりが優しく丸みや厚みを感じます。
アルミ製は金属の独特なにおいがしないため、料理の香りを邪魔しません。
カトラリーの手入れの仕方
ここでは、レストランなどでも一般的によく使われている、洋白銀食器とステンレスのお手入れ方法について解説します。
洋白銀食器(銀メッキ)の場合
洋白銀食器は合金を銀メッキでコーティングしているため、長時間使わないと「硫化」が起きて黒ずんできます。
そのため使用した後には優しく洗い、水滴の跡が残らないように拭きましょう。
食洗機で洗うことは傷がつきやすく、あまりおすすめできません。
ステンレスの場合
ステンレス製のカトラリーは食事で使った後、汚れがついたまま放置したり、湿気が多いところに置いたりするとサビてしまう可能性があります。
そのため、使用後はすぐに洗って、水気を拭き取りましょう。
知っておきたいテーブルマナーの基本
気に入ったカトラリーを使って、美味しく料理を食べるには、テーブルマナーを知っておくといいでしょう。
ここでは基本のテーブルマナーについて解説します。
使う順番に注意
カトラリーを使う順番は、プレートを挟んだ両側の、外側から内側に向かって使うのが正しい順番です。
高級レストランでは料理が出てくる順番に合わせて、外側から使えるように並べてあります。
食事中の置き方
カトラリーの置き方はお店の人へのサインです。
飲み物を取るときなど食事中の置き方は、プレートの上にフォークとナイフを「ハ」の形に置きます。
ナイフの刃は内側に向け、フォークは裏側を上にしましょう。
食事後の置き方
食事を終えたら、プレートの上にフォークとナイフの持ち手を手前にして、並べて置きましょう。
ナイフの刃は内向きで、フォークはくぼんだ面を上にします。
置く角度は国によって違い、フランス式は4時の方向、イギリス式は6時の方向、アメリカ式は3時の方向です。
レストランに合わせて置くといいでしょう。
NGマナー10選
高級レストランや披露宴などでやってしまうと恥ずかしい、NGマナーを紹介します。
ついやってしまいがちですが、特別なときだけでも気をつけましょう。
使い心地のいいカトラリーをそろえよう
ここまで、カトラリーについての基礎知識と、選び方・使い方などを詳しく解説してきました。
カトラリーにはシンプルなものから欧米式の本格的なものまで、さまざまな素材やデザインがあり、選ぶのも楽しいですね。
上質なカトラリーがあると、日常の食事も美味しく感じられます。
ぜひお気に入りのカトラリーを探してみてください。
良質な北欧家具や雑貨を揃えたいなら、「TIMBER YARD」の公式ショップへ。モダンなお部屋にぴったりのインテリアアイテムが豊富に揃っています。
\TIMBER YARDオンラインストアはこちら/
テーブルナイフ・テーブルフォーク
フィッシュナイフ・フィッシュフォーク
デザートナイフ・デザートフォーク・デザートスプーン
ブイヨンスプーン
ティースプーン・モカスプーン
バターナイフ