建物の外壁に植物を這わせる「壁面緑化」。
外から見える壁を使ってグリーンを育てることで、周辺の庭と差を付けられるのが魅力です。
この記事では、壁面緑化の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
おすすめの「つる植物」もまとめているので、外観をナチュラルな雰囲気に仕上げたい人は、ぜひチェックしてくださいね。
目次
外壁で植物を育てる壁面緑化
「壁面緑化」とは名前の通り、家の外壁を使用してつる植物を育てる方法です。
壁全体を覆ったり、壁の一部だけに植えたりします。
「緑のカーテン」や「グリーンカーテン」とも呼ばれ、夏の暑さ対策や、外からの目隠しを目的として育てる場合もあります。
壁面緑化のメリット
壁面緑化には、いろいろな魅力があります。
この章では、外壁を使って植物を育てるメリットを紹介します。
省エネ効果が期待できる
外壁を植物で覆うと、省エネ効果が期待できます。
直射日光を防ぎ、外側の壁の温度が上がりにくくなるので、室内の暑さ対策にぴったり。
紫外線による建物の劣化の防止や、冷房費用の節約につながります。
冬場は植物の蒸散が乾燥を防ぎ、部屋の中を暖かく保てるのも嬉しいポイントです。
おしゃれな見た目
おしゃれな見た目も、壁面緑化の魅力。
グリーンで覆われた壁は外からも目に入るため、季節感や個性を演出できます。
また緑を眺めることで、リラックス効果も見込めます。
花が咲くタイプの植物を選んで、香りを楽しむのも良いですね。
壁面緑化のデメリット
壁面緑化には良い面だけでなく、いくつかのデメリットも存在します。
一度壁を植物で覆うと途中で止めるのが難しくなるので、注意点をしっかり押さえておきましょう。
コストが掛かる
壁面緑化をするには、それなりにコストが掛かります。
まず外壁が傷むのを防ぐための、ネットやワイヤーを設置する初期費用が必要です。
そのほかに維持費や害虫駆除、除去するときの費用なども掛かります。
メンテナンスが必須
壁面緑化に限らず、植物を育てるとなると、小まめなお手入れが欠かせません。
伸び放題は見た目の美しさを損なうだけでなく、屋外機器の破損や雨漏りの原因にもつながります。
水やりはもちろん、適切なタイミングで肥料をあげたり、剪定(せんてい)をしたり、虫が付いたら駆除をしたりしなくてはなりません。
壁面緑化にトライするのであれば、小まめにメンテナンスできる時間や気持ちの余裕が大切です。
周囲への配慮が必要
外壁を植物で覆う場合は、近隣への配慮も必要です。
落ち葉や虫の発生で、隣接している家に迷惑をかける可能性があります。
薬剤を使うときには事前に知らせるなど、周囲への気配りを忘れないようにしましょう。
壁面で育てる植物選びの3つのポイント
壁面緑化する場合、キレイな状態を保ちやすい植物を選ぶのが良いでしょう。
この章では、外壁で育てる植物を選ぶときの3つのポイントを解説します。
1:年中緑が続く常緑植物を選ぶ
どれを選ぼうか迷ったら、常緑植物がおすすめです。
1年中葉が緑の状態が続くので、冬も美しい景観を保てますし、目隠ししたい場合にも向いています。
特に、お手入れが簡単で葉っぱが密集している「ヘデラ類」は、壁面緑化の初心者にも最適です。
2:植え替えまでの期間が長い多年草を選ぶ
植え付けから花や実、種を付けるまでの流れを2年以上繰り返す「多年草」なら、植え替えまでのサイクルが長いのでお手入れが楽チン。
毎年花や香りを楽しめるクレマチスや、トケイソウなどの品種を選ぶと、季節感が味わえます。
3:外壁の高さに合わせて選ぶ
外壁の高さに合った植物を選ぶのもポイント。
高い所までしっかりと緑で覆いたい場合は、ハツユキカズラやトケイソウ、ムベなど高く登っていくものや、葉が密集しやすいグリーンが向いています。
外壁におすすめのつる植物5選
外壁を緑で覆うなら「つる植物」がおすすめです。
自力で這い上っていくため、壁面で育てるのに向いています。
この章では、種類豊富なつる植物の中から、初心者さんも育てやすいおすすめの品種を5つ紹介します。
1:壁面緑化の定番ヘデラ
壁面緑化の定番ともいえるヘデラ。「アイビー」とも呼ばれ、ガーデニングや観葉植物としても人気が高いグリーンです。
お手入れが簡単なので初心者にもぴったり。
密集性が高く、1年中緑の葉が楽しめるため、目隠しとして壁面緑化を考えている人にも向いています。
ヘデラには約500種類以上もの品種があり、葉の大きさや色はさまざまです。
見た目の好みや成長速度の早さで選びましょう。
2:美しい紅葉が魅力のナツヅタ
大きめの葉っぱが特徴的なナツヅタ。
阪神甲子園球場のシンボルとして有名な植物です。
落葉植物なので冬には葉が落ちますが、秋には美しい紅葉を楽しめるのが大きな魅力。
補助材を使わず直接壁に這わせられるので、手間が掛からないのも嬉しいポイントです。
3:目隠しにおすすめのキヅタ
キヅタはナツヅタと異なり、冬も緑の葉を楽しめるため「フユヅタ」とも呼ばれています。
葉っぱにツヤがあるので、目隠しとして壁面緑化したい場合にもおすすめです。
成長はヘデラ類より遅めですが、夏の暑さや冬の乾燥に強く丈夫なので、育てやすい品種といえます。
4:小さな花が可愛らしいテイカカズラ
花を楽しみたい方には、テイカカズラがぴったり。
初夏に白やピンクの花をたくさん咲かせるので、外壁が華やかな雰囲気に仕上がります。
秋と冬には紅葉を楽しめるのも魅力。
夏の暑さに強いので、グリーンカーテンにも向いています。
ただし、水切れには注意が必要。
テイカカズラは水分が多く含まれている土を好みます。
水持ちが良い土を使ったり、腐葉土や堆肥をたっぷり使用したりするなど、水持ちが良くなるよう工夫しましょう。
5:明るいオレンジの花を咲かすノウゼンカズラ
真夏に鮮やかなオレンジ色の花を咲かす、ノウゼンカズラ。
強い日差しを好むため、1日中太陽の光が当たる場所で育てましょう。
成長速度が早いため、早期の壁面緑化を目指す場合にもおすすめです。
つるが良く伸びるので、放っておくと庭中に広がり、収拾がつかなくなる可能性も。
冬に剪定するときに、好みの長さにカットする必要があります。
緑に囲まれた外壁でガーデニングの幅を広げよう
この記事では、外壁を使って植物を育てるメリット・デメリットや、おすすめのグリーンについて紹介しました。
手間や費用は掛かりますが、省エネや癒し効果といった魅力もたくさんあります。
ガーデニングが好きな方は、ポイントや注意点を押さえて、壁面緑化にトライしてみてくださいね。