今秋、LE KLINT(レ・クリント)のデザインアイコンともなっている〈サイナスライン〉は2021年にデザイン50周年を迎えました。そのデザイン50周年を記念して誕生したサイナスラインのアニバーサリー限定モデルが日本にもお目見えします。
さらに、今なお紙を折りあげ、新しいデザインを生み出すことに情熱を注いでいるポール・クリスチャンセンによる新作〈ギャラクシー〉を同時発売いたします。
《 TIMBER YARDでお買い求めいただけるモデル 》
・サイナスライン限定モデルMサイズ|¥93,500[税込]
・GALAXY Pendant S|¥107,800 [税込]
数量限定・限定店舗での販売となっておりますのでご希望の方はお早めにお買い求めください。
アニバーサリー限定モデル|SINUS LINE
レ・クリントのデザインアイコンともなっている〈SINUS LINE(サイナスライン)〉。一枚のシートに計算され尽くした曲線、そこに職人技をかけ合わせて生まれる唯一無二のデザイン照明は、多くの人々を魅了してきました。
アニバーサリー限定モデルは、従来の照明に、ブラスのメタルパイプとテキスタイルコードを組み合わせ、洗練された雰囲気をまとわせました。
この美しい彫刻的なデザインは、エレガントでありながら、あかりをつけた時のダイナミックな陰影が、見る人をますます惹きつけることでしょう。
同時発売|GALAXY
ダイニングテーブル用の照明として、テーブルの向こう側の景色を損なわないようシェードの高さを低くし、さらにテーブルを照らすために直径を大きくする必要がありました。そこで宇宙の銀河系のような、平たい楕円形が最適であることに気づき、英語で天の川や銀河を意味する〈GALAXY(ギャラクシー)〉が生まれました。
ポール・クリスチャンセンへのインタビュー
Q1|サイナスラインのデザインに至った経緯を教えてください。
サイナスラインのデザインは1967年に始まりました。そこで初めて、直線だけでなく曲線に沿って紙を折ることができることを知りました。このことは、建築の勉強と並行して、すぐに私の情熱となりました。円、楕円、放物線、正弦曲線など、様々な曲線を調べているうちに、平らな紙を折った時に現れる3次元の形にすっかり魅了されてしまったのです。
Q2|サイナスラインはどのようにデザインしたのですか?
まず、コンパスで円のカーブを紙に描き、エンボス加工を施しました。その後、正弦曲線や放物線など、他の曲線も作りました。折った時に完璧な3次元の形を作るには、数学的に正確な曲線でなければならないことがわかったので、薄いアクリル板でテンプレートを作ってから、切り出しました。試行錯を重ね、平面のスケッチと立体的な折りのつながりを想像することができるようになりました。そうすることで最初から3次元の形をスケッチし、折ってみることができるようになりました。
Q3|サイナスラインが、ステルトンのシリンダラインと同じように愛されることを夢見たように、50年間も愛され続け、レ・クリントだけでなく、北欧の照明のアイコンにもなっています。これについては、どう思われますか?あなたにとって、サイナスラインはどんな存在ですか?
1971年1月、デンマークの有名なギャラリー「デン・ペルマネンテ*」(1981年に閉鎖)での展覧会に招待されました。この展覧会では、レ・クリントとの協力のもと、既に制作したものに加えて、いくつかの新しいデザインを制作しました。その中のひとつがサイナスラインです。
[当時の様子|https://poulchristiansen.com/1971/08/02/den-permanente-1971/]
球体のデザインは以前から考えていたのですが、展覧会の前日に実現しました。以前にレ・クリントのためにデザインした照明は、未来的な宇宙時代のようなテイストのものもあり、若い世代にアピールすることができました。しかし、サイナスラインはすべての世代の心に響いたようです。これは駆け出しのデザイナーであった私に素晴らしい気持ちをもたらしてくれ、建築を学んでいる最中でしたが、このデザインのおかげで私の名前が知られていくようになりました。
建築学科を卒業後、数年間は建築の仕事をしながら、曲線の折りを建築でも実現しようと試みました。当時はまだコンピューターによる設計がなかったため、非常に苦労しました。
Q4|サイナスラインの好きなところを教えてください。
曲線を折ることで一枚の紙に隠された性質を発見できることです。私がデザインしたのではなく、「デザインした曲線に沿って折る」ことで初めて生まれる、美しいフォルムです。サイナスラインは、「一枚の紙*+知的な線+熟練の技」で構成されている私のお気に入りのデザインのひとつです。*現在はプラスチックシート
そして、このデザインを改良することは、とても難しいことだと思います。この50年間、平らな紙から立体的なシェードへと、手作業で折り曲げていく過程をお客様に見せることが、私の喜びでもありました。
Q5|サイナスラインは、今後、照明・デザインの分野でどのような存在になると思いますか?
レ・クリントとデザインの歴史の中で語られるような存在になればと思います。
Q6|ギャラクシーのデザインに至った経緯を教えてください。
ギャラクシーは、テーブルの上に吊るすのに適した照明をデザインしようとしたものです。そのためには、テーブルの向こう側の景色を損なわないように照明の高さを低くし、同時にテーブルを照らすために直径を大きくする必要がありました。そこで、宇宙の銀河系をイメージした平たい楕円形の可能性を検討した結果、中心に向かって長い半楕円形のひだが最適であると気づきました。
Q7|ギャラクシーをどのようにデザインしたのですか?
私の好きな手折りの技術を生かしたいと思い、細めの曲線(=平楕円)を探す作業をしました。
Q8|ギャラクシーのお気に入りのポイントは?
楕円形のフラットなフォルムで、開放的でありながら、光源をカバーしているため眩しくないところです。
Q9|サイナスライン、ギャラクシーを使用する際に、日本のお客さんにアドバイスをお願いします。
これらのデザインは簡単に取り入れることができます。おすすめとしては、ギャラクシーはダイニングテーブルの上に、サイナスラインは多目的に使うのがいいと思います。
インタビューおまけ
Q|紙で折る時に難しいところはどこですか?
2次元の線に沿って折った時に、何が出現するかを考えること。プリーツ職人が手折りできることを保証すること。
Q|一日の過ごし方を教えてください。デザインのインスピレーションを得るのはどんな時ですか?
コロナ等の問題で、旅行やスキーなど、好きなレジャーはお預けになっています。そのため、スタジオにいない時は、自宅で家族と過ごす時間が多くなっています。
インスピレーションは、何か問題に取り組んでいる時に生まれることが多いです。今のところ、私のインスピレーションは主にデザインプロセスそのものから得られています。
Q|現在、取り組んでいるデザインはありますか?
サイナスライン50周年を記念して、これまで私が折ってきた空想の建築や彫刻の展示会を行いました。Folded Objects展は、Le KlintとA.Petersen Galleryの協力で行われました。現在、これらの彫刻的要素のいくつかを使って、レ・クリントの照明として製品化できないか模索しています。
[展示会の様子:ttps://poulchristiansen.com/2021/10/07/folded-objects/]
Q|日本に行ったことはありますか?
はい、何度か訪れたことがあります。2007年9月には、松屋銀座のアートギャラリーで、レ・クリントのために折ったランプの展覧会に招待されました。