高層階はどんな空間?定義や暮らしのメリット・デメリットを解説

    マンションやシティビルの高層階では、どんな暮らしができるのか気になったことはないでしょうか?

    特に一軒家かマンション暮らしかを迷っている人にとっては、高層階の住み心地や暮らしのイメージを知っておきたいという人は多いでしょう。

    この記事では、マンション住居における高層階の特徴や定義、防犯性能、住むとわかるメリット・デメリットについて解説します。

    高層階の定義とは

    ビルの外観

    高層階とは、マンション階のどこからどこまでを指すのでしょうか?

    実はこれ、明確な法律上の定義はありません

    「〇階以下ならば低層階」「〇階以上ならば高層階」と定めるルールが存在しないためです。

    ただし建築基準法においては、建物が高くなるほど建築基準が厳しくなるルールが存在します。

    これは、31メートル・60メートル・100メートルのラインで変わってくるため、一部では「31メートル以上を高層階とする」という考え方もあります。

    なお、31メートルは大体10階層を超えるマンションになります。

    高層階は防犯上有利?それとも不利?

    高層階のセキュリティーについても理解を深めておきましょう。

    ここでは話をわかりやすくするために、下記3つの犯罪方法に分けて一軒家との比較をしていきます。

    • 空き巣
      住人がいない時間帯を狙って入り込むこと
    • 忍込み
      住人の就寝中などを狙って入り込むこと
    • 居空き
      住人が在宅かつ起きている時間帯に入り込むこと

    警察庁の統計によれば、令和元年の空き巣件数は合計で19543件。

    また、忍込みは7852件、居空きは1421件起きています。空き巣ではそのうちの7割、忍込みではそのうちの9割近くが一軒家で起きています。

    そのため、そもそも共同住宅は一軒家に比べてこのような犯罪は起こりにくいといえるでしょう。

    また、いずれの事件でも、3階建以下の共同住宅の方が、4階建以上よりも発生件数が多くなっています。

    空き巣と忍込みでは場合は2.6倍程度、居空きでは1.8倍程度の差が出ています。

    このようなことを考えれば、高層階の方が低層階よりも防犯上有利であるといえるのかもしれません。

    ただし、一軒家でもリスクを考慮した防犯対策やセキュリティー強化を行うことで、泥棒の発生確率を大幅に下げることは可能です。

    また、高層階に住むからといって安心せず、どんな状況でも防犯対策を怠らないことが大切になります。

    関連記事:防犯 出典:警察庁「令和元年の刑法犯に関する統計資料」
    https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/R01/r01keihouhantoukeisiryou.pdf

    高層階に住むメリット

    東京タワーの見える景色

    上記で述べたように、高層階には防犯上有利という特徴がありますが、それ以外にも多くの魅力があります。

    高層階に住むメリットを一つずつ見ていきましょう。

    開放的な景色を楽しめる

    高層階の景色は空が近く広々としていて、非常に開放感があります。

    ロケーションによっては、都心部エリアを見渡せる絶景・夜景を楽しむことができるでしょう。

    都心部は建物が密集しているところが多く、低層階に住んでいると圧迫感を感じてしまうこともあります。

    高層階であれば周りに建物が少ないので、抜け感のある景色を楽しめるのです。

    虫が出にくい

    地上階では地面と空の両方から虫が集まってしまうことが多く、特に暑い時期には悩みの種になります。

    高層階は地面からかなり遠い位置に住居があるので、光によって虫が集まる心配が少ないのが特徴です。

    排水管から虫が入ってくる可能性もありますが、それでも低層階よりは出にくい状況にあります。

    プライバシーを確保しやすい

    同じ目線に建物がないということは、プライバシーを確保しやすいということにも繋がります。

    低層階のように「窓の向かいが隣の家」といった状況は少ないため、人の目を気にせずに暮らすことが可能になります。また、各種目隠し家具を少なくできるメリットもあります。

    建物外からの音が響きにくい

    高層階は地上との距離が離れているため、人の声や道路の音などが響きにくく、騒音に悩まされることが少なくなります。

    ただし共同住宅では、近隣住民の生活音までシャットアウトすることはできないため、すべての騒音から解放されるわけではありません。

    日当たりの良い場所が多い

    高層階の近くは遮蔽物が少ないため、必然的に日当たりも良くなります。

    もちろんその建物や部屋の向きにもよるのですが、低層階に住むよりも太陽光を部屋に取り入れやすく、明るい部屋作りがしやすいといえます。

    また、日当たりの良さは開放的な雰囲気を作るのにも一役買ってくれます。

    高層階に住むデメリット

    高層建築物のエレベーター

    高層階はその特性上、設備面で不備が起きたときに悪い影響を受けやすくなります。

    高層階に住むデメリットを一つずつ見ていきましょう。

    価格が高くなりやすい

    建物にもよるのですが、同じ建物の場合、高層階は低層階に比べて価格が高く設定される傾向にあります。

    高層階の住居を購入・賃貸契約する場合は、それ相応の出費を覚悟しなければなりません。

    なお、予算は厳しいけど高層階に住みたいという場合は、少し狭い物件や、築年数が経っている物件を選ぶのも一つの手です。

    停電やエレベーターの故障に弱い

    高層階はエレベーターを使うことが前提の設計となっています。

    高層階であればあるほど、この傾向は顕著になります。

    もちろんマンションには階段が備えられていますが、停電やエレベーターの故障が起きた場合、非常に生活しにくくなってしまいます。

    特にタワーマンションと呼ばれる超高層ビルで故障が起きた場合は、荷物の受け取り一つにも苦労してしまうでしょう。

    設備の状況によっては引きこもりがちに

    高層階から外出する場合は、低層階から外に出る場合に比べて時間がかかります。

    エレベーターホールまで行って、エレベーターを待ち、エレベーターから出てエントランスに向かい、エントランスから外に出る…という工程を踏まなければなりません。

    これが「ちょっと面倒」という気持ちに繋がり、徐々に外に出るのが億劫になる場合があります。

    エレベーターの反応速度が遅かったり、エレベーターの台数が少なかったりすれば、なおさらストレスが増えてしまうでしょう。

    転落事故の危険性が増す

    マンションによっては、高層階の部屋はそもそも窓を開けられないようにしている場合があります。

    しかし窓が開けられる高層階の部屋や、バルコニーのある高層階の部屋の場合、転落事故の可能性は否定できません。

    特に小さな子どもは予想外の動きをするため大変危険。

    もしも高層階で転落事故が発生した場合は、大きな問題に発展する可能性が高くなります。

    高層階の特徴を正しく理解しよう

    高階層からの景色

    今回は高層マンションの特徴やメリット・デメリットについて解説しました。

    「高層階と低層階どちらが良いか」という議論は、マンション・一軒家といった居住スタイルにかかわらず、議論が絶えないテーマでもあります。

    しかし重要なのは、自分が理想とする暮らしやスタイルに合っているかというポイントです。

    各物件の特徴をしっかりと理解できれば、「将来的にどんな生活をしたいか」「どんな家に住みたいのか」といった項目が明確になってくるでしょう。

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      cova
      「五感」と「空間提案」をテーマとする建築士。職人の手仕事が感じられるモノや空間は、視覚的な美しさだけでなく、触れた感触が心地よかったり、そこでの食事の味や音の響きにまで影響を与えるもの。机上で完結しない、現場でのインスピレーションを大切にしています。