家庭菜園の土作りに必要なことは?事前準備の手順やおすすめ肥料を紹介

    広い庭や畑を持っている場合、家庭菜園にチャレンジしたい人が多いと思います。

    気軽に始めることもできる家庭菜園ですが、準備段階において特に頭を悩ませるのが「土づくり」です。

    この記事では、家庭菜園における土作りの手順やポイントをわかりやすく解説します。

    知識ゼロから家庭菜園を作りたいときは、ぜひ参考にしてみてください。

    初心者向け!家庭菜園の土作りをわかりやすく解説

    憧れの広い庭を手に入れたとしても、どのように理想的な畑を作れば良いのか迷ってしまうはず。

    この章では、家庭菜園の初心者向けに家庭菜園の土作りの手順をわかりやすく紹介していきます。

    ショベルで土を掘り起こす

    土を掘り起こしている人
    Photo by Jonathan Kemper on Unsplash

    家庭菜園作りの初歩は、植物が育ちやすい土環境を整えることから始まります。

    まずはショベルやスコップで土を掘り起こしましょう。

    固まった土は通気性や排水性が極端に悪く、植物が根を張りにくい環境です。

    深い部分まで土を掘り起こして、表面の土と深部の土をよくかき混ぜてください。

    空気を入れてふわふわの土を作るイメージで掘ると良い仕上がりになります。

    大きな石や雑草などのゴミはこまめに取り除き、畑全体をまんべんなく地均しします。

    クワで列を作るように耕す

    畑を耕している人

    土の掘り起こしが終わったら、クワを使ってさらに細かく耕します。

    大きな土の塊を砕きながら、作物を植える場所をイメージして列を作りましょう。

    あらかじめ列を作りながら耕すことで、のちに畝(うね:作物を植えるために作る土の盛り上がり)を作るときにスムーズに作業を進めることができます。

    最適な畝の数は作りたい作物によって変わるので、縦横の幅と間隔に気を付けながら耕すのがコツです。

    石灰で酸度調整

    土は環境によって酸性・中性・アルカリ性になる特性があります。

    日本の土は酸性雨が多いことから、土壌酸度(pH値)が強くなりがち。

    そこで重要なのが、酸性を弱める性質を持つ石灰(せっかい)を土に混ぜることです。

    石灰に含まれるカルシウムが土に含まれる酸性を中和し、作物の生育に適した弱酸性の土質へと変えてくれます。

    畑の面積に応じて目分量で投入しても良いですが、より厳密に酸の濃度を調整したい人は「酸度測定器」を購入しておくと便利です。

    堆肥で栄養チャージ

    堆肥(たいひ)とは、初期の土壌改善に使われる肥料の一種。

    落ち葉・刈草・家畜の糞などを混ぜた有機肥料です。

    耕したばかりの土は栄養価が少ないので、堆肥を混ぜて植物が育ちやすい環境を作るのが基本。

    堆肥を混ぜることで土の排水性や通気性が向上し、生育に適した条件の一つである「団粒構造(微生物の粘液や排泄物で団子状の土が無数にできる状態)」になりやすくなります。

    注意点としては、石灰を混ぜてから必ず1〜2週間おいてから堆肥を混ぜること。

    灰を混ぜて間もない状態で堆肥をまくと、窒素成分がアンモニアガスに変化して土に悪影響が出てしまいます。

    冬はメンテナンスの季節!冬季の土作り

    雪
    Photo by Hide Obara on Unsplash

    寒い冬の季節は育てられる植物が少なくなるので、家庭菜園も自然とお休みモードになりがち。

    しかし冬の季節は、普段はできないメンテナンスや土壌改善をするチャンスでもあります。

    畑を放ったらかしにするのではなく、次のシーズンに向けて肥料を追加し、土を耕し直しましょう。

    • 寒さに強い野菜を育てたり
    • 春の収穫を見越して種や苗を植えたり
    • 畑の面積を増やしたり
    • 害鳥対策にネットや鳥よけを設置したり

    と、お休み期間中だからこそできる作業に取り組むのがおすすめです。

    家庭菜園2年目にやっておきたい土作り

    土いじりをする人
    Photo by Sandie Clarke on Unsplash

    2年目の家庭菜園も基本的やることは一緒ですが、肥料の追加と土壌改良はこまめに行いましょう。

    植物を育てると自然と土の栄養が抜けていくので、肥料追加を怠ると徐々に品質が悪化していきます。

    また、2年目は特定の野菜を連続で育てることで起こる「連作障害」が発生しやすくなるので注意。

    連作障害が起こりやすい野菜を避けるか、連作で不足しがちな栄養素を肥料で補うようにしましょう。

    特定の栄養素のみを追加したい場合は、有機肥料よりも化学肥料のほうが優れている場合があります。

    栽培スタイルや畑の環境に応じて臨機応変に使い分けてみるのがおすすめです。

    家庭菜園の土作りの前に考えておきたいこと

    何も考えずに土を耕す前に、あらかじめ作りたい作物や土質についての理解を深めておくのが得策です。

    この章では、家庭菜園の土作りに取り組む前に考えておきたい3つのポイントを紹介します。

    土の性質や水分量を把握しよう

    畑
    Photo by Dylan de Jonge on Unsplash

    土作りを始める前に、土の性質や水分量を把握しておくことが大切です。

    例えば水分量が多い粘土質は、植物が根を張りにくいので家庭菜園には適さない土質。

    土壌改良をするためには、通常よりも深く土を掘り起こし、乾燥した肥料を混ぜつつ空気を入れ込む必要があります。

    初期の土質によって適した肥料や耕し方が微妙に変わるので、自分の畑の土がどのような土質に分類されるのかを事前にチェックしておきましょう。

    「良い土」の定義は作物によって異なる

    野菜
    Photo by Markus Spiske on Unsplash

    よく言われる良い土の条件は三つです。

    1. 土の栄養が十分にあること
    2. 通気性や水捌けが良いこと
    3. 根を張りやすい団粒構造になっていること

    しかしこれらの条件を満たしたとしても、どんな植物にも適した万能な土質というものは存在しません。

    育てる作物によって理想の土質は異なるので、それぞれの生育環境をしっかりと学んで最適な環境を作る意識が大切です。

    また、最適な土壌酸度も作物によって違いがあります。

    ほとんどの作物はpH5 〜7の弱酸性環境で育ちますが、もちろん例外も存在します。

    自分が育てたい作物の最適酸度も事前にチェックしておくと育ちが良くなりやすいです。

    作付時期は種か苗かで変わる

    苗
    Photo by Markus Spiske on Unsplash

    育てたい野菜が決まっている場合は、その野菜が「種タイプ」か「苗タイプ」なのかを事前にチェックしておきましょう。

    苗は収穫までの時間が比較的早い傾向にありますが、種は発芽してから実をつけるまでに少し時間がかかります。

    種か苗かで収穫までの期間や畑の準備期間、季節の計算が異なります。

    収穫時期から逆算して理想的な畑環境を構築できるように備えましょう。

    家庭菜園の土作りにおすすめの肥料5選

    最後に家庭菜園の土作りにおすすめの肥料を5つ紹介します。

    堆肥のように初期の土壌改良に使えるものから、生育途中の野菜に効果的な肥料、どちらの用途にも使える万能肥料まで、タイプ別に幅広い種類を紹介していきます。

    有機栽培をしたい方に人気の「油かす」

    有機肥料の中でも特に窒素含有量が多い「油かす」は、初期の土壌改良におすすめな肥料の一つです。

    植物や大豆の油を絞った残りかすが原料なので、環境に優しく豊富な栄養が含まれているのが特徴。

    植物の成長を促進し、根や葉を大きくする効果があります。

    成長効果がゆっくりと持続するタイプなので、土作りの初期タイミングで使用するのが好ましいです。

    有機肥料の中でも比較的扱いやすいため、有機栽培にチャレンジしたい初心者におすすめしたい肥料です。

    育ちが悪いかも?と感じたら「化成肥料」

    化成肥料とは、自然界に存在する鉱物から抽出した化学肥料の総称です。

    有機肥料のように効果がゆっくりと持続するのではなく、生育効果がすぐに現れる即効性の高さが大きな特徴です。

    持続性が低いため初期の土壌改良には向かず、栽培途中の植物の成長を促進する目的で使われることが多め。

    育てている野菜の成長が遅いときや、栄養が足りていないときに使うのがおすすめです。

    不足している栄養素のみを補えるので、成長に合わせて汎用性高く使える肥料です。

    即効性のある有機肥料なら「鶏糞」

    鶏
    Photo by N I F T Y A R T ✍🏻 on Unsplash

    鶏糞は、文字通り鶏の糞を発酵させた有機肥料です。

    堆肥の一種ながら肥料の三大要素と言われる窒素・リン・カリウムを含んでおり、土壌改良と肥料追加どちらの目的でも使用することができます

    有機肥料なのに即効性が高いので、発育促進や有機栽培におすすめです。

    鶏糞は「発酵タイプ」と「乾燥タイプ」の2種類が存在しており、肥料として使えるのは発酵タイプのみとなります。購入時はくれぐれも注意しましょう。

    簡単によい土ができる万能選手「バーク堆肥」

    バーク堆肥は、植物の樹皮を発酵させた有機肥料の一種。

    通気性と保水性に優れ、土をふわふわとした柔らかい性質に変える効果があります。

    土の中にいる微生物によってゆっくりと分解される性質を持っているので、植物の生育に必要な栄養素を補給してくれます。

    効果がゆっくりと出るタイプなので、初期の土壌改良に適した有機肥料です。

    分解されにくく土の通気性をアップさせる「くん炭」

    くん炭は、籾殻(もみがら)を蒸し焼きにした植物性の炭肥料です。

    土の通気性や保水性を高める効果があり、炭の特性でもある脱臭効果も期待できます。

    成分がすぐに分解されず、雨によって少しずつ栄養が染みていく性質があります。

    特性上初期の肥料にぴったりで、長期的に土壌環境を改良したい人向けの有機肥料になっています。

    TIMBER YARDなら理想の家庭菜園を作れる

    憧れのマイホームを建てる方は、「いつか理想的な家庭菜園を作りたい」と願う方も多いはず。

    千葉でフルオーダーの注文住宅を手掛ける「TIMBER YARD」であれば、自分が理想とする夢の家庭菜園を施工できます。

    中庭やアウトドアリビングと組み合わせたタイプや、玄関アプローチとのバランスを考えた家庭菜園など、好みのレイアウトで自由自在に施工できます。

    KJ

    少しでも気になる方は、ぜひ当社の施工事例の数々を一度見てみてください。

    正しい手順と肥料の使い方で家庭菜園を楽しもう

    様々な種類の野菜

    家庭菜園の始め方や土作りのポイント、おすすめ肥料について紹介しました。

    今回は紹介したのはあくまでも基本的な知識のみ!

    作物によって適した生育環境は異なるので、実際に育てながら知識・経験を少しずつストックしていくことが大切です。

    記事を参考にしながら試行錯誤を繰り返して、理想の家庭菜園を作ってみてくださいね。